LP制作に携わる方が集まるコミュニティで、制作業務へのAI活用をテーマにお話しさせていただきました。
参加されていたのは、AIを毎日触ってはいるものの「便利なのは分かるけれど、いまひとつピンときていない」という方が多い場でした。そのため、新しいツールを紹介するのではなく、実際の制作業務のどこにAIを入れているかという話に絞っています。
最初に、前提として自分がどう見ているかをお話ししました。
「AIでデザイナーの仕事がなくなる」という話は、全体の流れと、自分の個別の状況を分けて見た方がいいと思っています。ひとまとめにすると、必要以上に不安になるか、逆に何も変わらないと思い込むかのどちらかになりやすいためです。
全体の流れとしては、人が減る方向に進むと見ています。これまでは、事業者・コンセプト設計・ライティング・デザイン・コーディング・広告運用と、ひとつの案件に4〜5人が関わるのが普通でした。そこがAIによって、ひとりで一通りできてしまうようになりつつあります。
実際、閲覧してきたページの流れをふまえてLPを自動生成するサービスがアメリカで出てきていますし、広告の運用でも「人が調整するよりAIに任せた方が精度が高い」という方向に振れてきています。
ただし、個別の仕事が全部置き換わるわけではありません。 仕事そのものは残ります。ただ、席の数は減っていく。じわじわと、そうなっていくのだと思います。
だからこそ、お客さまの仕事をお預かりする立場なら、AIを使えることは前提になると考えています。事業をされている方の悩みは、突き詰めると「売上を上げたい」「経費を下げたい」「面倒なことを引き受けてほしい」の3つです。同じ品質のものを、より安く、より早く出せる方に仕事が集まるのは自然なことです。
ChatGPT・Claude・Geminiのどれでも構いませんが、いま契約しているものを、その中の一番いいモデルで使うことをお伝えしました。安いモデルで試して「この程度か」と判断してしまうのが、いちばんもったいないためです。
パソコンの中のファイルを操作してくれるタイプのAIに関心が集まりがちですが、まずは対話形式で使いこなすことの方が先です。ここができていないと、どちらにしても思った結果は出ません。
白紙の状態で聞いても、返ってくるのは一般的な答えです。自分の仕事の前提をどう渡すかで結果が変わります。
毎回説明し直すのではなく、各サービスの「プロジェクト機能」に指示をまとめて置いておく。構造はどのサービスでも同じなので、一度作れれば他のツールにも応用が利きます。
その場で、自分の文体で返信を書いてくれる仕組みを作るところまでやりました。
違和感があれば、その場で口頭で文句を言って直させて、指示書を更新していきます。一度作って終わりではなく、使いながら好みに寄せていくものだとお伝えしました。
打ち込むより、喋った方が渡せる情報量が増えます。ここをやるかどうかで、AIの使い勝手はかなり変わります。無料のアプリで十分です。
APIキーやパスワードは渡さないこと。学習させない設定にすること。ファイルを操作させるタイプを使うなら、触らせるフォルダを限定すること。
「AIをどこまで任せられるか」は、ツールの性能ではなく、任せる側がその領域をどれだけ分かっているかで決まります。分かっていない領域は、出てきたものが正しいかどうかを判断できないためです。
だからこそ、AIを使うほど、自分の専門は要るのだと思っています。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。